浮つき

2014年09月04日

新学期が始まると起こることがあります。
微妙な気の浮つき。
3年生はさすがにないのですが、2年生は起こりがちです。
学校、クラブ、塾。
クラブと塾だけだった夏休みと違って、学校の授業が始まります。
体育大会。文化祭。行事も目白押しです。
そこで気分が浮き立つということもありますが、何より生活リズムが久しぶりに忙しいものになるということが主な原因でしょう。

生徒の顔つきがなんとなく違う。ダルそうです。体調を壊す者も出てきます。全体としてポヨーンとした雰囲気。
単語テストを覚えてこない、宿題を忘れる、忘れ物をする、夏にできていた基本的なことをすっかり忘れてしまっている。
考える力というか、意思自体が緩んでいる状態。都合、こちらは締めるために殺気立つことが多くなります。
「オレの夏(の授業)を返してくれ!」と叫ぶことも結構あります。
ただ、生活のリズムの変わり目には普通に起こることでもあります。

で昨日。
宿題を連続で忘れ、しんどいこともあったのでしょう、覇気のない様子で授業をうけていた中二生徒が安達の逆鱗に触れて家に追い返されました。当然、ご家庭には連絡しますし、その後一日の授業終了後、保護者の方からお電話をいただいて、僕もお話ができました。

宿題を忘れたことは論外ですが、生徒には自分がダレているかいないかは自覚できません。いつもと同じようにやっているつもりです。これは大人だって似たようなものです。
ひょっとしたら当の生徒も自分がなぜそこまで怒られるのかわからず、理不尽に思っていたかもしれません。

しかし。
だからこそ客観的に自分の状態を評価、批判してくれる他者が必要なのです。
自分で自分のことなど、大人、子供にかかわらずわかるものではありません。自分のことは自分が一番わかっていない。
別に詭弁ではありません。精神分析学でも、自分を分析できるようにはできていません。本当に大事な自分の「痛い」ところは無意識の防衛が働いて自分では言語化できないものです。

客観的な自分の状態を提示してくれる、つまり「痛い」ところを指摘してくれるのはいつでも「他者」です。
そういう役割も僕たちの存在意義だと思っています。また、「あだち塾」はそういう塾です。
なぜなら学力は、持続的に学習ができる安定した人格とも言えるからです。

さて、追い出された生徒は本日改めて補習です。
そのままほったらかしにするわけない。きっちり不足分は取り戻していただきましょう。
どんな顔でくるのか、決まり悪そうな顔で来るかな?

ちょっと楽しみでもあります。